|
―――おまえがセフェリスの新たな『母』となってくれないか。
その言葉を頂いて、私がどれほどの至福に包まれたか、テオさま、あなたはご存知ですか?
泣いてしまうくらい、嬉しかった……何の価値もない一匹の戦災孤児、掃き溜めの中のがらくたのようだった私を、
テオさまは必要だとおっしゃってくださったのですから。
―――そして、あたうならば…私の……
あなたは熱っぽい眼差しで私を絡めとり、ゆっくりと私の唇に自らのそれを深く重ね、
言葉にならない想いの総てを伝えてくださいましたね。
その夜、私たちは契りを交わし……私、グレミオは17歳にして、身も心もテオさまのものになったのです。
そしてこれは、それから3年後のお話となります―――
|
|