「……ちょっと、飲みすぎた、かな」
パーティーは盛況のうちに終わり、仲間たちは二次会に繰り出していった。
マリンは眠気に勝てずにもう部屋で眠っている。
「あんなにイッキしてたものね。みんなにのせられちゃって」
ティファとクラウドは、みんながきれいに食べた料理の皿を流しに運んでいる。
「ほんと、きれいに食べられちゃったわね。生ゴミが出なくて助かるわ」
「……あいつら、まだ食べる気なのかな」
クラウドの動きが、心なしかぎこちない。ティファはそれに気付いて、無理しないで、と労わった。
「仕事、長引いたんでしょ?片付けはいいから、もう休んだら?」
「うん……」
軽く相槌を打って作業を止めると、ふと、おもむろにクラウドは、
少しためらった後、ティファを後ろから抱きしめた。
優しく、そっと。ティファは少し驚いたようで、僅かに身体を硬くさせて、
後ろを振り返ろうとしたけれど、思いのほか強く抱きしめられていて、それはできなかった。
「……どうしたの?クラウド……」
「なんでも……」
「今日はクラウド、少し変よ?」
「…………」
かすかな震えが、背中から伝わってくる。
「……寒いんだ……」
「………………」
ふっと身体の力が抜けた。身体を預け、ティファは静かにクラウドの手に自分の手指を絡ませた。
クラウドの心ごと、包み込もうとするように。
「大丈夫よ、クラウド……私が、………いるから」
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