冷えた身体にぬくもりを伝える、確かな体温。もしこれが夢なのだとしたら、
自分は何て幸せな夢を見ているのだろう。
けれど伝わってくる体温と鼓動は夢だと思うには少しリアルすぎて、
かえってクラウドを混乱させた。
「夢だと思ってたのに……どうして、いるの……」
「来てくれるとは…思ってなかった」
気付いたらそのときにはもう無我夢中で抱き合っていた。
まるでそれが互いの存在を感じる唯一の手段だというように。
「夢じゃないんだね……?」
夢じゃない……ちゃんと温かい。全部夢じゃない、全身で理解したとき、
今更のようにクラウドの大きな瞳から涙が溢れ出した。
「ああ……セフィ…俺……」
クラウドの桜色の唇にセフィロスの唇が重なる。
言葉は不要だ、と言わんばかりに。唇の柔らかな感触にクラウドの頭は真っ白になった。
やがて舌が侵入し、水音を立てながら絡み合うと、
もう立ってられないとクラウドが崩れ落ちた。そのまま押し倒してキスを続けた。
没頭するような余裕のない口付けだった。
存分に口腔内を味わいながら、
クラウドの着衣をたくしあげて片手を侵入させた。
手のひらで優しく上半身を撫で上げられて鳥肌が立った。
指先が胸の突起に当たってびくんと跳ねた。
ようやく唇を解放されても一向に涙は止まらなかった。息を乱しながら視線が絡む。
「もう……おかしくなっちゃう……」
「おかしくなるといい……」
思いが強過ぎて、おかしくなりそう……その感情の行き場を、
ふたりはまだ互いの身体にぶつけることでしか見つけることができなかった。
執拗なまでに唇を重ねあい舌を絡ませあい窒息するほどに。
何度も、何度も繰り返しながら……
続きを読む?
or
目次に戻る?
|
|