どうしよう、この思い、どうやってあなたに伝えればいい?
昨日はあまり眠れなかった
ぐるぐるする頭の中胸の中身体の中をどうにかしたくて俺はペンをとる
だけどさっきから書いているのは「愛してる」の文字ばかり
だめだよ、そんな言葉で俺の思いは表せないから


「なんだって、思いの伝え方?へへっ、そりゃ、あれだろ。 つーか、それしかないだろ?行為は口ほどに物を言う、ってね。 うん、ま、一応俺っておまえの先輩なわけじゃん。 いや、何が言いたいって、先輩だから、見本みせなくちゃね?」
そう言って彼は俺の頬にほんの軽く唇を落とす
「……なにすんだよ、ザックスの変態!!」
反射的に手が出たと思ったら俺の拳がザックスの顔面にヒットしてた
「いて……やっぱクラウド、旦那以外には容赦ねえ……」


「ふへ、思いの伝え方?あー、そだな、オレ、チョコボ頭の大先輩だしな、と。 えーと、そうだな、オレが思うにゃな、言葉も、じゅーぶん大事だと思うぞ、と。 なに、言葉が浮かばない?そんなの、本人前にすりゃ、自然と出てくるもんだ。 それに言葉にしないと、わからないことだってあるんだぞ、と」
俺はわかったようなわからないようなあいまいな返事をしてみせた
「あー、そか。旦那、今日ミッション帰りか、と。ご無沙汰なんだろ、 可愛がってもらえよ、と」
俺は顔が真っ赤になるのを感じて思わず拳を振り上げたけど
上手にぱしんと受け止められた
「ふ、まだまだ甘いな、と」


いろんな人に聞いてみたけど、どれもこれも釈然としなくて
この思い、どうやってあなたに伝えたらいい?
思いは行為や言葉にしたとたん、嘘になりそうで
ねえあなたは知ってる?俺がこんなになってるの
あなたを抱きしめたい、あなたにキスしたい
あなたに会いたい……


俺がそう思ったちょうどそのとき、不意に後ろから抱きしめられた
ずっと思ってた人の体温を間近で感じて俺は気が変になりそう
「ずるい……俺から抱きつこうと思ってたのに」
「それはすまなかったな」
律儀に謝ってあなたは体を離す
俺はゆっくり振り返って
あなたの顔を見たら俺はたまらなくなってしまって
…どうしよう、もう、止まらない、よ……


「…………」
唇が軽くふれあうほどのフレンチキス
「……だいすき」


あんなに考えたのに、なんて陳腐な方法
でも、これでいいよね
あなたはちょっと驚いたようで、でも笑ってくれて
あ、この笑い方俺は好き、ほころぶ感じ
すごく嬉しそう、すごく嬉しい
俺はあなたの胸に飛び込んでおかえりなさいのキスをした
ああやっぱり俺の愛情表現の実に陳腐なこと……


                             

明け方の書きなぐり、というか、走り書き、というか。
不幸だったのは書いている途中でわたし、正気に戻ってしまって
砂を吐く、のではなく血を吐きそうでした。
(吐血)とか(喀血)とかいう言葉を打っては消し、打っては消し
散々迷って、結局一番まっさらなこの状態に落ち着きました。
そして当初は、照れ隠しのぺそぎんが、もっとわさわさいました。
でも「半端な羞恥心ほど見苦しいものはない」という
銀魂の作者の言葉にならい、やっぱりシンプルにしました。
……なんだかもう何を言ってもいい訳くさいのだけど……
とにかく恥ずかしいのよ!!(暴れ回ってみる)

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